鳥谷歩の新日記帳

私が関わった作品の宣伝、性腺外胚細胞腫瘍と末梢神経障害の闘病記、身辺雑記。

胚細胞腫瘍のケモについて

私は医療従事者じゃありませんので、あくまで私の思ったことを書きます。がんは千差万別かもしれないですし、私が間違ったことを書いてるかもしれません。参考程度に読んでほしいのですが、胚細胞腫瘍のケモは五日か六日ほど連続でやって、次の二週間ほどは休薬になります。その休薬期間に、骨髄抑制で落ちた白血球の値とか赤血球の値とか血小板の値とかを回復させて、戻ってきたら、次のコースに入れます。しかし、ケモを長く続けると、骨髄が弱ってきて、なかなか戻りが悪くなってきます。予定通りに値が戻らないと、次のコースに入れないんで、ケモのスケジュールが遅れることになります。ケモがスケジュール通りにできないということは、治る確率を下げるということになります。また、抗がん剤を薄めて使われたりされることになります。だから、体が元気なうちに、なるべくがんを叩いとくことが重要だと、私は思ってました。失敗したら、やりなおしがきかない不安に襲われてました。また、医師は、とりありえず、患者に、目先のハードルを、まずクリアさせることを念頭におくようです。なので、まずは次のコースまでがんばりましょうといっといて、それがようやく終わったと思ったら、また無慈悲(?)に、また次のコースをやりましょう、と、どんどんハードルを設定してきます。それで、約束が違うじゃないかと、腹を立てることが私の場合あったんですが、それを怒ってはいけません。私の場合は、生き残る確率を少しでも上げたかったので、骨髄に余力のあるうちに、徹底的にがんを叩いておきたかったので、8コースしかしてませんが、なんとかケモに耐えられました。それで、8コース終えたときに、医師に、勝算があるといってもらえました。寛解できたあとでも、しびれが残ってQOLが下がって、もっとケモが少なかっても寛解できてたんとちゃうんて、後悔することもありえます。私の場合はBEPを4コースやったあとのPET−CTで、まだ生きたがんが残ってる確率があると判定されて、腫瘍マーカーは陰性化してたんですけど、TIPをもう4コースやりました。過剰治療の可能性もあるとは、説明を受けてました。でも私は腹と縦隔にがんが残ってたのですが、縦隔のがんは手術では取れないところにあると脅されてましたので、もしがん細胞がぜんぶ死んでなくて、また再発してきたらと考えると、骨髄に余力があるいまの間に、がん細胞が死にかけてる間に、徹底的にがんを叩きたいと思って、ケモを続ける決意をしました。生き残れる確率が高いと思えるほうに賭けました。いまは命があるだけでありがたいと思ってますので、いまの生活はしびれに悩まされてたいへんですけど、私はケモについては後悔はしてません。ご自身の場合とは、状況はあてはまらないかもしれませんので、参考程度に読んでください。
なお、これは、胚細胞腫瘍のケモについての感想ですので、他のがんの場合とは事情が異なってくるかもしれません。
生き残る確率を少しでも上げるために、免疫細胞を働かせたくて、昼に起きて夜に眠る規則正しい生活をしたくて、夜は早く眠ったり、夜中に目覚めても、目が冴えてしまうのを忌避してスマホはなるべく使わないようにしたり、白血球などの値を少しでもよくするために、休薬のときは、食欲がなくても、まだ喉を通りやすい豆腐などを食ったり食う努力をしたり、少しでも食欲がでるように、便秘を忌避して毎日ヨーグルトを食ったり、生き残れる確率を少しでも上げることを、私は毎日考えてました。もちろん、私は単に運がよかっただけかもしれません。努力だけではどうにもならないことも、世の中にはあるのかもしれませんし。
ほんとうに、私は(いまのところ)たんに運がよかっただけです。永眠せざるをえなかった方々に、努力が足りなかったわけではありません。ですが、心の片隅にも、がんをあまく見積もらないようにお願いいたします。命にかかわる病気です。生き残れる確率が少しでも上がる選択をひとつずつ積み重ねていく気持ちも大切だと思います。だからといって、がん患者を食い物にするような、偽物の療法にはひっかからないように気をつけていただきたいですが。
もし、万一、今日の私のこの投稿で、不愉快に思われる方がおられましたら、申し訳ありませんでした。
ご幸運をお祈りもうしあげます。ひとりでも多くの方が、がんから寛解できて、私も含めて、治癒までいけますように。